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松元梓の気象予報ムシ
A.matsumoto Four weather forecast insect
カブトムシとクワガタの越冬
腐葉土や朽ち木の中 その暖かさに守られ 夏の間、子どもたちに大人気のカブトムシやクワガタですが、冬はほとんど姿を見かけません。 カブトムシは冬の間、「腐葉土の中」で過ごしています。腐葉土は、枯れ葉が腐って土のようになったものです。枯れ葉が発酵するときに熱が生じるため、カ...
オオキンカメムシ
寒さに弱い南方系 常緑樹に身潜め越冬 日本に生息しているカメムシは約1000種類。その中には「旅するカメムシ」もいます。 「オオキンカメムシ」といい、背中はオレンジと黒色、おなかは蛍光ピンクという派手な見た目に加え、体長2センチの大きな体で、昆虫愛好家からの人気も高いよ...
子グモのバルーニング
上昇気流に乗り空へ 一匹で越冬場所探し キラキラと太陽の光を反射させながら細い糸が空を舞うのを見たことがあるかもしれません。ただの糸ではなく、「蜘蛛の糸」です。 これは、蜘蛛の「バルーニング」と呼ばれる行動です。お尻から出した糸が風に乗ると、その糸にぶら下がるようにして...
避暑をするアキアカネ
暑さに弱く夏は山に 秋になると里に移動 長かった夏がようやく終わって秋になり、長野市内でも赤とんぼが飛び始める頃です。 赤とんぼは、アキアカネの俗称です。漢字にすると秋茜と、特徴そのままの名前ですが、夏まではどうしているか知っていますか。...
秋も蚊に注意を
35度超え 動き鈍く 活動時期がずれ込む 昨年の秋、あるニュースに目がとまりました。「秋も蚊にご用心」。「夏」のイメージがある蚊ですが、最近は活動時期が秋へと変わってきているようです。 人を刺す蚊のうち本州で多く生息しているのが、ヤブカとも呼ばれる「ヒトスジシマカ」です...
暑さに強いタマムシ
体温上昇防ぐ薄い層 翅の表面に幾重にも 私たち人間がウンザリするような暑さのときには、虫たちの活動も鈍くなりますが、中には気温が35度を超える日でも元気に飛び回る虫がいます。 「ヤマトタマムシ」もその一つです。全身が光沢のあるエメラルドグリーンの色をしていて日本の甲虫で最も...
トビイロウンカ
下層ジェット気流に 乗って梅雨期に飛来 人気のある虫とない虫がありますが、特に多くの農家にとって「嫌いな虫」と言えるのが「トビイロウンカ」ではないでしょうか。 夏の終わりから秋にかけて、水田に茶色の円ができることがあります。体長4〜5ミリの小さなトビイロウンカが、稲の汁液を...
ゴキブリも苦手「猛暑」
気温35度以上で「危険」 昼涼しい場所に隠れ 「嫌いな虫」として圧倒的に挙がるのが「ゴキブリ」です。その響きだけで顔をゆがめる人もいるでしょう。ゴキブリに何かをされたことのない人も嫌うのは幼少期からの「刷り込み」が大きく、保護者がゴキブリを嫌っている姿から恐ろしいものだと思...
チョウと紫外線
最も好きな色は「紫」赤には見向きもせず モンシロチョウを観察していると、ある特定の色の花に集まることに気がつきます。 モンシロチョウが最も好きな色は「紫」だといわれています。黄色や青にも集まりますが、赤には見向きもしません。赤は黒に見えるため、認識されにくいのだそうです。...
アリの春の準備
土や砂どかして外へ 人間よりも一足早く 足元の小さな虫たちも春の到来を察知し、動き始めています。 春を感じたアリがまず始めにするのが、巣の出入り口を整えることです。冬の間、アリたちは地中にこもるため、巣の穴は土や砂でふさがれてしまいます。そのため、冬が終わると、土や砂をどか...
ナナフシモドキと暖冬
卵が越冬しやすく 安曇野市では大発生 この冬は予想された通りの暖冬でした。平均気温は、12月と1月に加えて2月も各地で平年を上回りそうです。諏訪湖も御神渡りが6季続けて出現しませんでした。 雪も少なく、これまでとは違う冬になっていて、この虫への影響も気になります。...
ハイイロゲンゴロウ
池の氷の中で越冬 凍ってもなお生きる 寒さが厳しいこの季節、池の水をのぞいてみると、水面に張った氷の中に越冬する虫を発見できるかもしれません。 「ハイイロゲンゴロウ」もそのうちの一つです。日本全国に生息していて、最もよく見られるゲンゴロウの種類です。池や沼のほか、水たまりや...
ミノムシの越冬
外の寒さ通しにくく厚くて頑丈な「蓑」の巣 葉っぱがほとんどなくなった木にぶら下がっているミノムシ。この時季の風物詩ともいえるおなじみの光景ですが、実はミノムシは、自治体によっては絶滅危惧種にも指定されるほど貴重な昆虫になってきています。...
サカダチゴミムシダマシ
わずかな水分求めて 砂漠で霧の朝「逆立ち」 世界には100万を超える種類の虫がいて、中にはアフリカの砂漠に生息しているものもいます。 極端な暑さや寒さ、乾燥といった、過酷な砂漠地帯で生きているのが「サカダチゴミムシダマシ」です。この虫は生きていくために必要な「水」を、ある方...
カブトムシの冬支度
秋に急成長する幼虫 北と南で異なる適応 信州ではあっという間に終わってしまう過ごしやすい季節、足元では虫たちも冬に向けて大急ぎで準備をしています。 たとえば「カブトムシ」の場合、夏の終わりに卵を産み、今は幼虫が大きくなる時期です。卵からかえった時は1センチにも満たないほどの...
台風で巣が壊れたハチ
草の茎に巣を修復 失敗繰り返さぬよう 台風が最も多くやってくる今の時期、人間以上に翻弄(ほんろう)されるのが「虫」です。強い雨や風によって、家である「巣」が壊されてしまうこともあります。 もし巣がなくなってしまったら、虫はどのような行動を取るのでしょうか。巣を丁寧に修復した...
トンボのはね
空気の渦つくる表面 強風の空もすいすい 強風でセミが飛ばされているのを目撃しました。さらに驚いたのが、トンボは風をものともせずにすいすいと飛び回っていたことです。 この違いはどうやら「翅(はね)」にあるようです。トンボの翅は、表面がでこぼこしていて、翅に前から風が当たると、...
天気と関係 セミの羽化
晴れた日の暗い時間 地中から様子を観測 夏本番を知らせるように、セミが鳴き始めました。 セミは一生の大半を土の中で幼虫として過ごします。ようやく外に出て成虫になっても、そこから1〜2週間しか生きられず、短い命を燃やすように一生懸命鳴くのです。...
カタツムリと梅雨
貝の仲間 乾燥が苦手 湿度高いと活動的に 最近カタツムリをよく見かけます。そこでふと気が付いたのが、カタツムリは梅雨の時期以外はあまり姿を現さないということです。なぜなのか調べてみました。 カタツムリは貝の仲間で、もともと海で暮らしていたため乾燥が苦手です。活動的になるの...
うるさい季節
最も過ごしやすくて ハエが「五月蠅い」6月 一年で最も過ごしやすい時季を迎えています。気温によって行動が左右される虫たちが元気に動き回る季節でもあります。 しかし、元気すぎるがゆえに不名誉なかたちで言葉の由来になった虫がいます。...
クモの雨ポーズ
垂直に垂れ下がり 雨粒の衝撃避ける 雨の日は「クモの巣」をよく見かけると思ったことがありませんか。これはクモの巣が雨の日に増えるのではなく、雨粒がついてキラキラ光ることで見つけやすくなるためです。 運が良いと、「クモの雨ポーズ」を見られるかもしれません。...
アメンボの引っ越し
冷たい風吹く水面から 落ち葉の下や土の中へ 春本番を迎え、冬の間それぞれの場所で寒さをしのいでいた虫たちも、元の場所に戻り始めています。 アメンボもその一つです。田んぼや池にいるイメージが強いアメンボですが、冬は水辺から離れて過ごします。...
チョウの目覚め
「発育零点」を基準に 温度差で「春」感じる 「蠢く」—この漢字の読み方、ご存知でしょうか。「うごめく」と読みます。よく見ると、春の下に虫が二つ付いていて、春になり土の中から虫がモゾモゾ出てくる様子を漢字一字でよく表しています。...
寒さに弱いカメムシ
暖かい民家に移動 白い物に集まる習性 一年で最も寒い時期を迎えています。虫たちもそれぞれの方法で寒さを乗り越えていますが、成虫で越冬するものは、涙ぐましい努力をしています。 例えば、カメムシは成虫の姿で冬を越すというのに、残念なことに寒さにめっぽう弱いそうです。ある程度の寒...
水中で越冬する虫
表面の水が凍っても 池の中は4度のまま 冬は昆虫にとっても寒くて厳しい季節です。凍え死んだりしないよう、安全な場所を選んで冬を越しています。 例えば、トンボは、秋に卵を産むものが多く、冬の間は卵や幼虫の姿で、池や田んぼの用水路などの「水の中」で過ごします。種類によっては何年...
カマキリの冬越し
泡に包まれた「卵のう」 冬の寒さから卵守る まもなく受験シーズンに入ります。今回の気象予報ムシは中学入試の理科でよく出題される「昆虫の冬越し」の話題です。 昆虫が冬を越す姿には「卵」「幼虫」「サナギ」「成虫」の四つのパターンがあります。...
モンシロチョウの冬眠
「日の長さ」に反応し さなぎの姿で冬へ 人と同じように、小さな虫たちもこの時期はあの手この手で冬支度をします。 アゲハチョウやモンシロチョウは「さなぎ」の姿で冬を越します。冬にチョウの姿になると、寒さや飢えで死んでしまうからです。...
アサギマダラの「渡り」
「暑い」も「寒い」も苦手 何千キロも飛び続ける 2年前の9月下旬、長野市の地附山で「アサギマダラ」を見つけました。 アサギマダラは日本で唯一生息地を移る「渡り」をするチョウです。10センチほどの小さな体で、1000〜2000キロを移動します。夏は涼しさを求めて東北や長野県の...
クマムシと宇宙天気
宇宙環境の変化観測 ひまわり10号に期待 地球上で最も生命力が強いといわれている生き物がいます。それは「クマムシ」です。 クマムシは8本足の体長1ミリにも満たない微生物です。踏みつけたら簡単に死んでしまいます。では何がすごいのか。その実力は体を乾燥させ、体内の代謝を停止させ...
テントウムシの夏眠
草の茂みや葉の裏でじっと 呼吸量は著しく低下 観測史上最速の梅雨明けとなった今年、長い夏にお疲れの人もいると思います。 昆虫にも暑さが苦手なものがいて、中には夏の間「かみん」をする虫もいます。「仮眠」ではなく「夏眠」です。暑さに耐えるため、草の茂みや葉の裏でじっと過ごすので...
雨に強いチョウ
その秘密は羽の鱗粉 驚きの雨を弾く強さ 雨の日は外出が億劫になりますが、昆虫も雨が降ると葉の裏などにじっと身を潜めます。中には雨にぬれても平気な虫もいて、チョウもその一つです。 なぜチョウは雨に強いのか。その秘密は羽についている「鱗粉」にあります。チョウを触ったとき、手に粉...
ハチの暑さ対策
巣の表面に「打ち水」 翅使い巣に涼しい風 一年で最も過ごしやすい今の時期ですが、時折夏のような暑さが顔を出します。 暑さが苦手なのは昆虫だって同じです。小さな体で驚くような暑さ対策の「技」をもっています。 例えばハチは巣の中が暑すぎると幼虫が死んでしまうため、あの手この手で...
チョウの体温調節
大きな役割果たす「翅」 開閉と模様にも意味 春の日差しが心地よい季節、太陽のぬくもりを有意義に使いたいのは昆虫だって同じです。 体温が気温に左右される昆虫は、さまざまな方法で体温を保っています。 例えばチョウの場合、体温調整で大きな役割を果たすのが「翅」です。気温が低い時は...
雨粒に蚊が当たったら…
はじき飛ばされても 再び飛べる精密な体 この冬は4年ぶりの「寒冬」となりました。雪の降る日や量も多く、春になり久々に雨を見たという人も多いと思います。じっと寒さに耐えていた虫たちもようやく表舞台に戻ってこようとしています。...
クロナガアリの冬の生活
地下4㍍に暖かい巣 集めた種食べ暮らす イソップ物語の一つに「アリとキリギリス」があります。 夏の間も食料を蓄えるため働くアリをよそに、キリギリスは遊んでいて冬に食べ物がなくなり、アリに助けを求めるという話です。この働き者のアリのモデルになったのが「クロナガアリ」です。...
ミツバチの寒さ対策
胸の筋肉を振るわせ 発熱して体温上げる 一年で最も冷え込むこの時期、寒さに耐えるのは人間だけではありません。体温が気温に左右される変温動物の昆虫は驚くような寒さ対策を行っています。 たとえばミツバチは、冬眠せず、冬も巣箱の中で過ごします。外は厳しい寒さですが、巣箱の中の温度...
チョウの冬の装い
羽の表面にある鱗粉 寒さ対応の鍵を握る 「気象予報ムシ」の連載を始めたきっかけは小学生の娘です。天気の話をしても関心を示さない娘に、虫の話を交えながら話すと、興味をもって聞いてくれ、さらに天気の知識も定着していきました。難しく捉えられがちな気象も、視点を変えて伝えるやり方も...
テントウムシの越冬
凍りつかない仕組み 人間にない便利機能 「受験」の季語は春ですが、早いところでは年内に試験が行われるなど、受験シーズンに突入しています。中学入試の理科によく出るのが「昆虫の冬越し」です。それぞれの虫がどの姿で冬を越すかという問題です。...
カメムシのにおい
「強い」「薄い」使い分け 仲間への合図にも 秋が深まってくると、家や学校などの中に「招かれざる客」が現れます。集団で体を寄せ合って暖をとり、強烈なにおいをまき散らす厄介者…「カメムシ」です。 成虫で冬を越す虫はほかにあまりいないため、これからの時季は目立つ存在です。...
台風後 増えるトンボ
台風の目と一緒に 熱帯地方から移動 世界で最もありふれたトンボといわれているのが「ウスバキトンボ」です。薄いオレンジ色で、東南アジアなど熱帯地方を中心にほとんどの国で生息しています。 このウスバキトンボ、沖縄では別の名前で呼ばれることがあります。それは「カジフチダーマー(風...
大雨を察知するアリ
触角や体毛で感じ 巣の入り口にふた 東大受験を扱ったドラマ「ドラゴン桜」の登場人物に昆虫好きの男子高校生・健太がいます。高校のグラウンドで虫捕りに夢中になっていた彼は、アリが巣にふたをしたことから、まもなく大雨になることを予想し、的中させます。この出来事をきっかけに、健太は...
逆立ちトンボ
日光が当たる面積 少なくし暑さ軽減 「四季彩々」のタイトルで10年続いたこのコーナー。今回から「気象予報ムシ」とタイトルを改めスタートします。え?ムシ?何?と思った方、そうです、主役は「天気」と「虫」です。 虫の生態には天気と密接な関係があります。難しく感じることもある「気...
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