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うるさい季節

最も過ごしやすくて ハエが「五月蠅い」6月

 一年で最も過ごしやすい時季を迎えています。気温によって行動が左右される虫たちが元気に動き回る季節でもあります。

 しかし、元気すぎるがゆえに不名誉なかたちで言葉の由来になった虫がいます。

 その言葉とは、「うるさい」。漢字で書くと「五月蠅い」で「蠅(ハエ)」が含まれています。

 この表記は夏目漱石が小説の中で使ったことがきっかけで広まったといわれています。

 旧暦の5月は、今の新暦でいう6月ごろにあたります。そして、ハエが最も活発になる気温は22度前後とされています。つまり6月はハエが特に「五月蠅い」時期というわけです。

 同じように旧暦の5月が入る言葉に、「五月雨」や「五月晴れ」があります。

 五月雨は「梅雨」のことで、五月晴れは「梅雨の晴れ間」を表します。

 信州もまもなく梅雨に入ります。梅雨時は毎年のように各地で災害が発生していますので、今のうちに大雨への備えを確認してほしいと思います。特にお願いしたいのが次の二つです。

 一つ目は「ハザードマップ」を使って、お住まいの地域が危険な場所にあたるかどうかを確認することです。ハザードマップには主に「土砂災害」と「洪水」の2種類があり、それぞれの場所の危険度が色で表示されています。

 過去の大雨災害のほとんどは、ハザードマップで危険度が高いと表示されている場所で起きています。自宅や会社などが危険なエリアに含まれる場合は、必ず備える必要があります。

 二つ目は「マイタイムライン(避難計画書)」の作成です。これは「いつ」「どこに」「誰と」避難すればいいのかをあらかじめ整理することで、混乱しがちな避難行動の指針とするものです。家族で話し合って用意しておいてください。

 災害は「忘れた頃」ではなく「忘れる前に」やってくる時代に変わってきています。防災力を上げて、梅雨に備えましょう。

 気象予報士・防災士


2023年5月27日号掲載

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