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カタツムリと梅雨

貝の仲間 乾燥が苦手 湿度高いと活動的に

 最近カタツムリをよく見かけます。そこでふと気が付いたのが、カタツムリは梅雨の時期以外はあまり姿を現さないということです。なぜなのか調べてみました。

 カタツムリは貝の仲間で、もともと海で暮らしていたため乾燥が苦手です。活動的になるのは、湿度が高くなる6月中旬から8月にかけてで、それ以外の時期は徹底的に乾燥対策をしています。

 具体的には、昼間は葉っぱの裏側などで殻の中にこもり、湿度が上がる夜になってからようやく活動を始めます。なかなかカタツムリに出合わないのはそのためです。

 背中の殻にも秘密があります。

 カタツムリが殻に入ると、入り口に「エピフラム」という膜を張ります。この膜はカタツムリが分泌する粘液で作られていて、外からの乾燥を防いでくれます。軽い休眠の時は1枚しか張りませんが、乾燥が激しい時や冬眠する時は二重三重にするのだそうです。

 梅雨は、カタツムリにとってはありがたい季節ですが、近年は災害と隣り合わせの時季でもあり、備えておく必要があります。

 記録的な大雨が予想されている時に私たちはどう行動すれば良いのか、ポイントを二つお伝えします。

 一つ目は、避難先の確認です。大雨になったら「いつ」「どこに」「誰と」避難するのかを家族で話し合っておいてください。自宅の近くに川や崖がない人は避難の必要はありませんので、自宅で待機すると良いでしょう。

 二つ目は、気象庁のサイト「キキクル」の見方を覚えておくことです。キキクルは大雨災害の危険度を5段階の色分けで地図上に表示するものです。「土砂災害」「浸水害」「洪水害」の3種類があり、気象庁のホームページなどで見られます。危険度が増すごとに色が黄→赤→紫→黒に変わります。「黒」を待つことなく「紫」の時点で安全を確保することが大切です。

 関東甲信地方の平年の梅雨明けは7月19日ごろ。梅雨末期は特に災害が起きやすく、これまで以上に大雨にお気をつけください。

 気象予報士・防災士


2023年6月24日号掲載

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