腐葉土や朽ち木の中 その暖かさに守られ
夏の間、子どもたちに大人気のカブトムシやクワガタですが、冬はほとんど姿を見かけません。
カブトムシは冬の間、「腐葉土の中」で過ごしています。腐葉土は、枯れ葉が腐って土のようになったものです。枯れ葉が発酵するときに熱が生じるため、カブトムシはその暖かさに守られて冬を越すことができるのです。
一方、クワガタの大半は「朽ち木の中」で越冬します。陽が当たる場所は、一日の寒暖差が大きく、小さな虫は衰弱してしまいます。それに比べ、朽ち木の中は密閉されているため、気温の変化が小さく、冬を越すのに最適なのです。
私たち人間もそれぞれに合った方法で冬を過ごしますが、冬は日本海側と太平洋側で、天気が大きく異なります。
日本海側で危険な気象現象が「JPCZ」です。発達した雪雲が帯状に並ぶため、同じ場所で雪が降り続き、災害につながることがあります。「線状降水帯の雪バージョン」とも言え、警戒が必要です。
JPCZが発生するのは、朝鮮半島に高い山があるからです。大陸から吹く冷たい風が山にぶつかると、北風と西風に二分され、それらが再び日本海で合流することで雪雲の帯が作られます。これがJPCZです。帯の到達点は上空の寒気や偏西風により、北陸に向くこともあれば、山陰に向くこともあります。到達した場所では、次々に雪雲が流れ込み、記録的な大雪になります。
長野県は日本海に面していないから安心、というわけではありません。雪雲は発達すると、北陸から長野県内にも流れ込み、大雪を引き起こす恐れがあります。
この冬は北部で雪の量が多くなる予想です。JPCZなど日々の気象情報に例年以上に気をつけるようにしてください。
(気象予報士・防災士)
2025年1月1日号掲載