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上松の谷さん タイのランタン出品へ

7月20日からの権堂町・長野七夕まつり

作業場で完成したランタンを手にする谷さん
手作り120張り 盛り上げたい

 7月20日(土)から8月7日(水)まで権堂町で開催される「長野七夕まつり」。上松の谷泰宏さん(56)は、アーケード内を彩る七夕飾りを、タイの伝統的な提灯「ラーンナーランタン」で盛り上げようと自宅作業場で製作に取り組んでいる。1日6時間かけても、1張り完成できないほど複雑で細かな作業だが、試行錯誤の末、当初目標にしていた100張りを超えて、120張りも間近だ。

 「ラーンナーランタン」は、タイ北部のチェンマイなどで古くから作られ、11月の祭りでは、趣向を凝らした色鮮やかな提灯が街中に飾られた後、寺院に奉納される。

 谷さんは35歳の時、初めてタイを訪れ、人柄や料理、寺院、映画や音楽などに魅了された。特に、ナイトマーケットでのイルミネーションのスケールの大きさと華やかさに圧倒された。

 6年前に東京からUターンし、シニア大学でコミュニティーデザイン(地域創造)を学んだ。現在は、主にボランティア活動をしており、中心市街地の活性化を考える中で思いついたのがタイで見たランタン(提灯)を使ったイベントだ。「ランタンフェスティバル」をテーマにアイデアを練りながら、2年前の9月から、SNSなどを見ながら手探りで製作を始めた。昨年、コロナ禍の中断から4年ぶりに再開した七夕まつりを見て、装飾が少なく寂しいと気になった。事務局に飛び込み、タイのランタンを提案、今回実現した。

 竹ひごで作った八角形や三角形のフレームを組み合わせて骨組みを作り、周りに布を張る。仕上げに金色の紙で装飾して完成。竹ひごを曲げる時に、何十本も折ってしまうこともあり、装飾用の紙をきれいな波形に切るのにも苦労した。

 タイでは生まれ曜日の色として大切にされている赤・黄・ピンク・緑・オレンジ・青・紫に白を加えた8色を15張りずつ作った。さらに、2人のタイ人選手が所属する長野パルセイロレディースのチームカラーのオレンジとネイビーの特製ランタンも製作。期間中は長さ7メートル、幅3メートルにわたって、アーケード内を彩る。

 周りからは「もう少しコンパクトにしたらどうか」とも言われたが、「目立つように作って、盛り上げに一役買いたい。数と大きさでこれだけ大掛かりなのは、日本では見たことがない」と胸を張る。知人のタイ人にも好評だ。

 「120張りの中には、装飾の違う〝隠れキャラ〟があるので、探してほしい。見た人がきれいと喜んでくれたらうれしい」と話す。

 谷さんによると、全国各地で行われている「タイフェスティバル」は、いずれも多くの来場者を集め、地域活性化の潜在力は高いという。製作費は自腹だが、今回の参加をきっかけに、多くの人を巻き込んで、さらに大規模なイルミネーションを使った「タイフェスティバル」の開催につなげて、街を元気にしたい―。谷さんの七夕に込めた思いだ。

 (問)(メール)taniy@hotmail.com

 記事・写真 斉藤茂明


2024年6月29日号フロント

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