展望と草原歩きを楽しむ
台風一過の青空が広がった盆明け後の土曜日、山仲間3人で長和町の姫木平にあるエコーバレースキー場から稜線に出て、霧ケ峰の草原歩きを楽しんだ。
一帯は「山彦谷」と呼ぶスキー場の縁を巡る「姫木平ハイキングコース」。稜線からは、浅間山から蓼科山、八ケ岳、南アルプスが望め、近くには車山、八島ケ原湿原、美ケ原など360度の展望が広がる。
8時に長野市内を出発。上信越道を走り、上田インターで降車。上田市大屋から国道152号で丸子を経て長和町に。道の駅「マルメロの駅」で休憩した後、再び152号を白樺湖方面へ。
大門峠の手前から姫木平の別荘地に入り、エコーバレースキー場の駐車場に車を置く。10時半ごろにスタート。スキー場を横切り、林道を上って行くと浅間山や蓼科山が見えてきた。
林道終点の広場手前から、最初のピークの大笹峰(1829メートル)へ向かう登山道に入る。黄色のハンゴンソウの群落やシシウド、ヨツバヒヨドリなどが咲き、猛暑の夏とはいえ山はすっかり秋の気配だ。
12時前に大笹峰に到着。近くにはブランシュたかやまスキーリゾートのリフト降り場があり、三角屋根の休憩所も。中は暑いため、三角点のあるピークで昼食に。山頂部に気象レーダーのドームのある車山が間近に見える。
続いて、同じ標高の北の耳へ。近くに男女倉山(ゼブラ山)や八島ケ原湿原に向かう分岐があり、レンズのような姿の湿原が見える。
すぐ右側が鷲ケ峰、その右手に鉢伏山や三峰山、さらに美ケ原まで見通せる。先ほどまで雲に隠れていた蓼科山の山頂部もすっかり雲が取れ、くっきりとした姿を現した。
少し歩くと、このコースの最高地点、南の耳(1838メートル)だ。小高い丘のような蝶々深山や物見石を見下ろし、南アルプスがよく見える。この日は見えなかったが、富士山も望めるようだ。
反対側の山彦谷には、エコーバレースキー場のリフトが何本も見えてきている。その先には浅間連山が。
ここからは車山に向かって爽快な草原歩きが続く。木が全くない広々とした草地を進む。時折現れるハクサンフウロの小さなピンクの花に癒やされる。
最後の殿城山(1800メートル)へ向かう分岐の先で休憩し、白樺湖の向こうに広がる蓼科山から八ケ岳に連なる大展望を楽しむ。北八ケ岳までは見えたが、あいにく南八ケ岳の山頂部は雲の中。それでも雄大な裾野が広がる光景は見応えがある。
分岐へ戻り、殿城山まで登り詰めた後は急な下りに。うっそうとしたカラマツ林の中の長い道のりを下りきり、出発地の駐車場へ。
帰路はマルメロの駅「やすらぎの湯」で汗を流し、丸子から塩田平へ抜け、坂城インターから上信越道で長野に。眺めがよく、気持ちの良いハイキングコースだった。
記事・横内房寿
2024年9月21日号掲載