コアラの暑さ対策

気温より低い木選び 体を密着 体温下げる

 厳しい暑さが続いています。自然の中で暮らす動物は、この暑さをどうしのいでいるのでしょうか。
 オーストラリアで暮らす「コアラ」は、一見分かりづらい方法で体温調節をします。「木に抱きつく」、これこそがコアラの暑さ対策です。

 メルボルン大学などの研究によると、コアラは猛暑の際、気温よりも温度の低い木を選び、幹や太い枝に体を密着させて体温を下げるそうです。体の熱を木に逃すことで、何もしないときに比べて水分の消費を半分ほどに抑えられ、脱水症状になるのを防ぐことができるようです。

 さらに興味深いのが木の選び方です。猛暑の日には、好物のユーカリではなく、より温度の低いアカシアの木を選ぶのだとか。ユーカリが気温より2度弱しか低くないのに対し、アカシアの木は約5度も低くなることがあるためです。

 ちなみに「コアラ」の名は、先住民の「水を飲まない」という言葉から来ています。ユーカリに含まれる水分だけで生きられるよう進化してきたコアラですが、彼らですら異常な暑さの時には他の木を選んで必死に命を守っているのです。

 私たち人間にとっても、猛暑の際に大切なのは、「これくらい大丈夫」という我慢ではなく、涼しい環境をつくる工夫です。都心ほどではないにせよ、その工夫は「夜」も必要になってきています。

 長野では以前は熱帯夜(最低気温が25度以上の夜)がほとんどありませんでした。しかし、2019年以降増え始め、2023年には11日間も記録されました。

 夜になると気温は下がるものの、逆に湿度が高くなるため、汗が蒸発しにくく、熱が体内にこもりやすくなります。さらに、眠っている間は体の異変に気づきにくいため、症状が進んでしまうことがあります。

 「長野の夜は涼しい」という昔の感覚のままでいると、思わぬ危険につながるおそれがあります。寝苦しい夜は扇風機やエアコンを上手に活用するほか、就寝前にコップ一杯の水を飲むことも熱中症対策として効果的です。ぜひ今夜から習慣にしてみてください。

(気象防災アドバイザー・気象予報士・防災士)

2026年7月25日掲載

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