茶臼山動物園「アムールトラの森」オープン
トラが遊べる倒木や一休みできる虎穴も

雌の和(なごみ)と雄の新(しん)
篠ノ井有旅の茶臼山動物園にアムールトラの展示施設「アムールトラの森」が新設され、7月25日(土)10時から、施設前でオープニングセレモニーが開かれる。テープカットや地元保育園児によるくす玉披露などのほか、同施設設計指導者の大阪芸術大学教授若生謙二さんによる新展示施設の解説がある。この後、11時半から一般公開する。
かつてのアムールトラの猛獣舎はライオンと共用で、繁殖に必要な寝室や運動場のスペースを十分に確保できない状況だった。そこで長野市は2020年からライオンとアムールトラの展示施設の再整備に着手。それまでの猛獣舎前にライオン舎を新設し、猛獣舎はアムールトラ専用の獣舎として24年から改修工事を進めてきた。
それぞれに本来の生息環境に近づけた専用施設を整備することで、両者の生活環境の向上を図るとともに来園者が自然に近い姿を見られるようにした。
アムールトラは、中露国境の寒冷地帯に広がる針葉樹林帯(タイガ)を主な生息地とするネコ科最大級の動物。雄では体長3メートル、体重300キロを超える個体もいる。絶滅危惧種に指定されている。
完成した新猛獣舎「アムールトラの森」は約400平方メートルで、最大の特長は、タイガの森を再現した屋外展示場。ウラジロモミやアカエゾマツ、ドイツトウヒなどの針葉樹が植えられ、トラが登ったり爪を研いだりして遊べる倒木や、トラが一休みできる虎穴を配置。ネコ科では珍しく水を好むため、水浴びができる池も設け、野生本来の行動ができるよう工夫している。
屋外展示場とつながる屋内展示室が入る建物は2階建て。屋内展示室横には、以前の倍の寝室4室を確保して、絶滅危惧種であるアムールトラが繁殖できる環境を整えた。また、見学者がアムールトラについて理解を深めるための学習室も新設。2階には、各種動物園グッズをそろえた売店がオープンする。
ここで暮らすのは、雌の和(なごみ)と雄の新(しん)で、どちらも6歳。2頭は繁殖のペアとなる予定で和は21年、新は翌22年にそれぞれ別の動物園から茶臼山に来た。獣舎建て替えのため24年から茨城県の動物園に預け、今年5月に帰園、オープンに先駆けて慣らし飼育が行われていた。
担当飼育員の小林哲平さん(47)は「ガラス越しに至近距離で、全身を観察できる。茂みに隠れているトラを見つけてもらうのも楽しいと思う」と見どころをPR。「今後は繁殖にも取り組んでいきたい」と話していた。
茶臼山動物園サポーター寄付やふるさと「ながの」応援寄付などを主な財源とする施設整備費は4億6千万円。
トラ舎学習室でパネル展
新設のトラ舎学習室では7月25日から11月8日(日)まで、企画展「アムールトラ展〜おかえりなさい!!『新』と『和』」を開催。アムールトラの生態や形態、生育環境や現状、茶臼山動物園の歴代飼育個体や繁殖記録についてなどをパネルで展示紹介。新と和、新トラ舎を紹介するコーナーやトラの模型でアムールトラを体感するコーナーなども。記念撮影コーナーもある。
記事 中村英美
2026年7月25日掲載
