手づくり「てらまち新報」5周年

松代ゆかりの偉人取り上げ「100人超」

パソコンで紙面を制作する手塚さん

松代町寺町の手塚さんら月2回発行 「町の成り立ちを細かく捉えていきたい」

 松代町寺町地区の手塚忠憲さん(77)が手作りする地域新聞「てらまち新報」(A4判2ページ)が、8月1日号で発行5周年を迎え、A3見開き4ページの記念号を発行した。主筆の手塚さんが、執筆や取材などで協力してくれた人への感謝のほか、紙面で取り上げてきた松代ゆかりの偉人を挙げ「有名無名を問わず、明治以降だけでも100人を超す人々を発掘できた」と記し、編集仲間の西沢善明さんと堀晃さんも5年間の出来事を振り返っている。

 てらまち新報は2020年、松代地区住民自治協議会「歴史文化とまちづくり部会」が松代ゆかりの偉人や史跡を紹介する案内板を町内11カ所に設置した際、資料集めや紹介文を手塚さんが担ったことがきっかけ。「地位や経済的に恵まれていたわけではない人たちが、努力・苦労の末、成功していった経緯を知った。こうした歴史をもっと伝えていきたい」との思いが募り、同じ地区に住む西沢さんと堀さんに声をかけ、21年に始まった。

 今までに、関西の財界で活躍した岩下清周(きよちか)(1857〜1928年)、現在の最高裁判所長官にあたる大審院長の横田秀雄(1862〜1938年)、太平洋戦争の激戦地、硫黄島で戦死した栗林忠道陸軍大将(1891〜1945年)、俳優の松井須磨子(1886〜1919年)など、各分野で活躍した人物を中心に、町内にある寺や神社、城跡の歴史などを紹介してきた。ほかにも、英語や防災、健康のコーナー、児童文学作家でもある手塚さんによる児童小説の連載など、バラエティーに富んだ内容を載せてきた。

 近くの證蓮寺(しょうれんじ)の海野良澄住職が顧問を務め、住職の妻の春さんには90歳を超えるまで俳句を寄稿してもらうなど、「力強い応援をもらってきた」と手塚さん。最近では、メキシコ在住の西沢さんの息子が現地の様子を寄せている。月2回発行で、寺町に住む24戸に配布するほか、遠方の知人にはメールで送り、県立長野図書館にも寄贈している。

 記事では「松代町史」などの文献内の旧仮名をそのまま使うことも多かったが、100号を機に現代仮名に改めるなど、読みやすくしてきた。今後は、AI(人工知能)も使いながら速さや正確さも高めたいという。10月に掲載予定の明治時代の「松代騒動」は、物語風の記事にする予定だ。

 手塚さんは「先に東京に出た先輩を頼って上京し、大学などで学んだ人が多く、先輩もそんな後輩を支援したから、小さな町ながら多くの成功者が出たのではないか。やればやるほど興味が湧き、ネタは尽きない。今までは松代の歴史を大ざっぱに紹介してきたが、今後は時代ごとに掘り下げて、町の成り立ちを細かく捉えていきたい」と意気込んでいる。

記事・写真 斉藤茂明

2026年9月5日号フロント

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