「郷土の人形作家」10人展

主催する戸井田さん「素材や技法、独創性楽しんで」

近作を前に、初めて企画した郷土の人形作家展への思いを話す戸井田さん

今日から30日まで

 大豆島在住の人形作家戸井田紗代子さん(80)主催の「郷土の人形作家特別企画展」が9月26日(土)から30日(水)まで、金井田の人形店「人形の山川」で開かれる。信州を拠点に日本の創作人形の第一線で活躍する10人の作家たちの作品を展示紹介する。戸井田さんは「日本に人形文化があることを改めて知ってもらい、文化の担い手である作家たちを応援する機会にしてほしい」と広く来場を呼びかける。

 戸井田さんは、長野市生まれ。1990年、44歳の時に、失明寸前の重い目の病気を発症。目が見えなくなるかもしれないという大きな不安の中で、その頃たまたま出合ったクラフト粘土の人形に強く引かれる。「目が不自由になっても手先の感覚でできる」と確信し、すぐに市内で教えてくれる教室を探した。

 無我夢中で創作に打ち込み、のめり込んでいく。4回の手術を乗り越えて2年がたつ頃には講師資格も取得。彫刻家の故桑田弘雄さんに木彫を、陶芸家の小林陶春さんに陶芸を学び、独自の人形のスタイルを確立していった。97年以降は、県工芸展と一水会陶芸部会展を主な活動の場として数々の公募展で入選の実績を重ねる。

 2009年から、夫と共にタイのチェンマイへ移住。13年間を過ごすも22年、新型コロナウイルスの影響で帰国を余儀なくされた。日本で創作活動を再開する中で、当たり前に身近だった日本特有の人形文化が薄れてきていることを肌で感じるようになった。

 「人形の世界の復活に少しでも力になりたいし、次の世代へその真価を伝えたい」との思いを抱き、今回の展覧会企画へとつなげた。「作家同士の交流を深める場にしたい」という願いも込める。

 出品作家は、大島和子さん、中野光さん、高田治彦さん、おきながようこさん、橋詰幸江さん、原山桂子さん、尾島佳子さん、荒井慶子さん、故谷口善晴さん、戸井田さん。それぞれが最新作から近年の代表作など10点以上を出品。全体では100体を超える作品が並ぶ。「伝統の人形から現代の人形まで、素材も技法もさまざまな作家たちの思いの詰まった独創性あふれる人形たちを間近に楽しんでほしい」とPRする。

 入場は無料。開館時間は10時から16時(最終日は15時)。

 27日(日)10時半から12時まで、クラフト粘土でお地蔵さんを作るワークショップを開催。参加費は1000円。定員は先着15人。参加希望者は事前に電話で申し込み。
 (申・問)戸井田☎︎090・4005・9233

記事・写真 中村英美

2026年9月26日フロント掲載

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