138年前 彫刻家北村四海制作とされる

21日 犀川神社秋季例大祭で地域巡行
長野市出身の明治・大正期の彫刻家北村四海(1871〜1927年)が手掛けたとされ、1888(明治21)年の制作から138年にわたって使われてきた安茂里大門区の「太神楽屋台」の修繕が終わり、大門神楽保存会(小出安幸会長、18人)は12日、完成お披露目会を同区公民館で開いた。
同区は、小路、西河原、差出の各区と共に、JR安茂里駅の北側山手にある犀川神社の氏子地域。秋祭りで神楽獅子舞を奉納するのは、犀川神社保存会で、小路と西河原でつくる小西、大門、差出の計3組の神楽保存会で構成する。1969年には「犀川神社太神楽」として市の選択無形民俗文化財に指定されている。
北村四海が大門組の「太神楽屋台」の彫り物制作にあたったのは17歳ごろ(当時の名は直次郎)という。長持ちの上に貫を通して、その上にけやき造りの社殿形のが乗る形態で、祠の四方には竜や獅子、、高砂のと、、七福神など吉祥にまつわる彫り物の装飾が施されている。
屋台はこれまで、「村の宝」として大切に取り扱われてきたが、風雨にさらされるなどする中で劣化が進み、近年は金具がさびたり、木彫りの装飾に亀裂が入ったりするなど傷みが目立つようになった。保存会は10年ほど前から、修繕の検討を開始。今年度、県市町村振興協会などが実施する一般コミュニティ助成事業の補助金が活用できることになり、「令和の大修繕」が実現した。
9月21日(月)の秋季例大祭宵宮祭り当日は、太鼓と笛で祭りを奏でながら獅子舞を披露する獅子方がこれをひいて地域を巡行、犀川神社へと向かい、境内の宮舞台に3組の獅子がそろって舞を奉納する。
太神楽屋台の完成お披露目会では、本番同様に祭りちょうちんや灯籠で飾り付けた神楽屋台を展示。獅子方による祭囃子の演奏と合わせて獅子舞も披露された。会場には、幼い子どもと一緒の家族連れやお年寄りまで大勢の区民らが、修繕がかなってリニューアルした神楽屋台に見入っていた。
小出会長は「郷土芸能は郷土の歴史。この神楽屋台を使って向こう100年、獅子方と共に郷土の歴史をつくっていきたい」と期待した。
記事・写真 中村英美
【「杜煙火(もりはなび)」の奉納】犀川神社秋季例大祭宵宮祭りでは、「太神楽」に加え、県指定無形民俗文化財「杜煙火」の奉納もある。杜煙火は、江戸時代から続く霞真(かしん)流(小西)、大火流(大門)、昇声流(差出)3派の煙火方が、それぞれ代々引き継がれた秘伝書や道具類などにより、打ち上げ花火や境内全体を使った大迫力の仕掛け煙火を行う。実施される煙火は「十二燈」「三宝」「笠火」など12種類ほどで、公演の番付3番と5番、8番の後は宮舞台で3組が獅子舞を披露する。
2026年9月19日号フロント
