ゾウと共通の祖先を持つ小型動物 ケープハイラックス2頭誕生

先月 城山動物園に 来園者から「かわいい」と歓声

生まれて間もない赤ちゃん2頭と母親シオリ(城山動物園提供)

 長野市城山動物園(上松)で飼育するケープハイラックスに9月28日、初めての赤ちゃんが2頭誕生した。ケープハイラックスはゾウと共通の祖先を持つ小型動物。獣舎には野生のすみかを模した岩場のある展示場と、展示場へ自由に行き来できる部屋があり、赤ちゃんが部屋から出てくると、来園者たちからは「かわいい」と小さな歓声が上がった。

 アフリカ大陸などに分布する草食性哺乳類のケープハイラックスは体長40センチ前後、体重2.5キロから5キロほど。一生伸び続ける前歯の牙や前足の骨の特徴などがゾウと似ている。

 生まれたのはオス、メス1頭ずつ。ケープハイラックスを飼育している動物園は県内では同園のみで、2020年から飼育を始めた。赤ちゃんたちの母親のシオリは22年に、もう1頭のメスのおやきは23年に来園。父親のどんどんはメス2頭の「お婿さん候補」として、24年に広島県の動物園からやってきた。

 飼育員の今野麻理子さん(26)は23年からケープハイラックスを担当。シオリは妊娠中、おなかの膨らみが目立たず、「妊娠しているのかな、気のせいかな」と思っていた矢先の出産となった。「初めて赤ちゃんを目にした時は感無量で、言葉で表せないくらいうれしかった。よく頑張ってくれたと思います」

 妊娠期間は8カ月に及ぶが、見た目では妊娠に気付きにくいため、日頃からストレスなく過ごせる環境づくりが欠かせない。消化管の病気にかかりやすいため、なるべく野生の食事に近づけるよう、草や枝、木の葉など、量と質を工夫しているという。

 ケープハイラックスの獣舎は正門側から奥まったところにある。警戒心が強く、すぐに岩場の陰や隙間に隠れてしまう上、体温調節が苦手で寒くなると部屋に戻ってしまう。姿が見えず、何の獣舎かを知らずに通り過ぎてしまう人も多い。

 そこで、今野さんはよく知られているゾウを入り口にして興味を持ってもらおうと、毎年8月12日の「世界ゾウの日」前後にケープハイラックスの特別ガイドのイベントを行うなど、地道に発信を続けている。「一度知ったら抜け出せないくらい、魅力的な動物です。赤ちゃんが生まれたことで、より多くの人に知ってもらえれば」と熱く語った。

記事・松井明子

2026年10月31日号フロント

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