「夢空間松代」のまちづくり25周年

「武家屋敷のお庭拝見」など多彩な企画

松代の観光拠点「松代まち歩きセンター」で夢空間が刊行した冊子を手に取る理事長の香山さん(右)と事務局長の三田さん

全国から年間30件超の視察も 住民が誇りと自信を持てるまちへと

 松代地区のNPO法人「夢空間松代のまちと心を育てる会」(香山篤美理事長、230人)が今年25周年を迎えた。同会は住民主体のまちづくりを目的に、2001年に住民有志100人が参加して発足。松代ならではの歴史や文化などの地域資源を住民自らが掘り起こして、光を当て、情報を発信する活動に地道に取り組んできた。理事長の香山さん(78)は、この25年を「松代を元気にするために松代の資源の〝見える化〟を進めてきた。それを積み重ねてきたことで住民が誇りと自信を持てるまちへと変わってきた」と振り返る。

 市は2000年に松代地区中心市街地活性化基本計画を策定。この中で、松代の自然や歴史、文化や人を生かして、町全体を屋根のない博物館と捉えて活性化する「信州松代まるごと博物館構想」を打ち出す。この時「行政任せにするのではなく、住民主体でこの構想を実現していこう」と声が上がり、同会が生まれた。

 会は、まるごと博物館構想を軸に松代の魅力再発見に着手。「地域の良いとこ探しワークショップ」などを開催しながら、〝地域の宝〟をつないだ散策ルートを開拓していった。

 最初の取り組みは発足した年の秋。江戸時代から引き継がれてきた武家屋敷の庭に残る泉水(池)を中心にした庭園を巡るイベント「武家屋敷のお庭拝見」を企画すると、地元はもとより県内各地から250人が集まった。回を重ねるごと参加者は増え続け、400人に上ったこともあった。参加者らから松代の庭園風景が持つ魅力を伝えられたことが、その後の活動の弾みとなる。このイベントは今日まで年に2回開いている。

 続いて地区内にある「寺院」に着目し、寺を核にしたまち巡りを計画。さらに「町屋、まち並み、路地めぐり」などをテーマにまちを巡るルートを開拓する。松代の里山ゾーンにあたる清野、豊栄、西条、東条、寺尾地区でもそれぞれの歴史や文化を調査、発見した地域の宝をつないだ散策コースづくりも行ってきた。

 これら開拓して作ってきた散策コースは、テーマごとすべてまち歩き資料として冊子化し、これまでに40種類を刊行した。

 今では、全国各地から年間30件を超える視察が訪れるなど、住民主体のまちづくりの先進地として全国から注目を集める。

 今後は「もっともっと松代が世に出ていくことをしていきたい。松代の良さを日本中に、世界に発信していきたい」と香山さん。「『住んで暮らしやすく、訪れて心憩える町に』という当初の目標はブレずにね」と笑顔をのぞかせた。

 記事・写真 中村英美

(2026年11月7日掲載)

目次