「市立長野高美術部」展 17日から

現役・歴代部員の37点 前顧問石坂さんのパステル画も
「ちゃんとした美術館で高校生の作品を展示してくれるのは珍しいし、とても貴重な経験になると思う」
信州新町美術館で10月17日(土)から、同館主催の企画展「市立長野高校美術部の軌跡III」が始まるのを前に、同校(徳間)美術部部長の望月未唯さん(2年)は、「日々、精いっぱい絵に向き合って、みんなで高め合いながら描いている私たちの表現を大勢の人たちに見てほしい」とPRする。
同部は、2008年の同校開校と同時にスタート。以来全国高校総合文化祭への県選出や現代パステル協会展入選など、全国レベルの公募展で実績を重ねてきた。同館は「同じ市立の美術館として、力をつけてきた生徒たちの活動に光を当てたい」と、16年に初めて同タイトルの企画展を開催。5年後の21年に2回目、今回が3回目になる。
現在部員は1年から3年まで計13人。顧問の宮崎桐子教諭(38)と前顧問で現在非常勤講師を務める画家の石坂宏さん(68)の指導の下、パステル、アクリル、油彩、水彩を自由に用いて、夏の高校生国際美術展、秋の北信高校美術展など公募展に向けた個人制作を中心に毎日放課後活動している。

今回は学校で展示、保管している09年度以降の歴代部員や現役部員らの50号サイズの公募展出品作合わせて37点を展示する。現役生では、自分の双子の姉妹をモデルに目や鼻や口をパーツとして配置した「福笑い」や、バスケットボールに熱中する中学生の弟のシュートの瞬間を切り取った躍動感あふれる「滾(たぎ)る」、今の自分をつくっているという、記憶に残るいくつかの風景を一枚の絵に詰め込んだ「想と記をつくる」など。卒業生では、昭和の看板が並ぶ風景を描き、21年の高校生国際美術展で長野県知事賞に輝いた「昭和のかをり」などの作品が並ぶ。
顧問の宮崎教諭は「高校生たちの着眼点を見てほしい。こんなのをテーマにするんだなどと作品を読み解いてもらうと、今の高校生がどんなことを感じ、悩み、葛藤しているのかがわかると思う」。同館は「高校生がモチーフと真っすぐに向き合って生まれた個性あふれる作品はまさに青春(あおはる)力の結晶。情熱ほとばしる力作を大勢に楽しんでほしい」と呼びかける。
今回は17年にわたって同部を指導してきた石坂さんのパステル画38点の展示もある。自身がアメリカの美術大学で学んでいた1980年代のアトランタ郊外の風景を描いた作品をはじめ、身近にある風景や花、静物などを描いた近年の代表作を紹介する。「何より発色が美しいパステル画の魅力を間近で体験してほしい」と話す。
来年1月31日(日)まで。開館時間は9時から16時半。入館料は一般500円、高校生300円、小中学生無料。休館日は祝休日を除く月曜日と、祝休日の翌日、12月28日(月)から1月4日(月)。
(問)同館☎︎262・3500
記事・写真 中村英美
2026年10月10日号フロント
