05 酸化による老化 ~抗酸化物質の摂取で予防

 今回は老化の三大要因「糖化」「酸化」「炎症」のうち、「酸化」について詳しく述べたいと思います。

 酸化とは細胞がさびることをいいます。残念ながら私たちは生きている限り酸化を避けることはできません。私たちは常に呼吸をして空気中の酸素を体内に取り込んでいますが、それだけで細胞は酸化していきます。体内で酸素が他の物質と結び付いて酸化し、その際に発生するものが活性酸素です。本来、活性酸素は体内に侵入した細菌やウイルスから体を守ってくれる物質です。しかし、過剰に発生すると正常な細胞や組織まで傷つけられてしまい、肌荒れやしみ、動脈硬化や心筋梗塞、がんなどさまざま病気を引き起こし、いわゆる老化を起こしてしまいます。

 活性酸素は加齢とともに増えるといわれていますが、ストレス、たばこ、多量飲酒、紫外線、食品添加物・加工食品・酸化した食べ物(時間のたった揚げ物など)・トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)などの摂取、激しい運動などが活性酸素の増加を促進する要因です。このように活性酸素を増やす因子は身の回りにたくさん存在しています。

 これらの生活習慣に気をつけることは、活性酸素の増加すなわち、老化の要因である酸化の防止につながります。それに加えて、活性酸素の発生やその働きを抑制し、活性酸素そのものを取り除く物質である抗酸化物質の摂取が酸化予防に有用です。

抗酸化物質としては、緑黄色野菜やレバーなどの動物性食品に多く含まれるビタミンA、野菜・果物・芋類に多く含まれるビタミンC、植物性油脂・ナッツ類・カボチャに多く含まれるビタミンE、イワシ・サバ・牛肉・豚肉に多く含まれるコエンザイムQ10、赤ワイン・大豆・玉ネギ・緑茶・紅茶・ごま・ウコン・コーヒー・米ぬかに含まれるポリフェノール、ニンニク・ネギ類に含まれるイオウ化合物、ニンジン・ホウレンソウ・温州ミカンなどに含まれるカロテノイドなどがあります。これらの抗酸化物質を積極的に取ることにより、酸化による老化をある程度防止できるといわれています。

 ただし、酸化において特に現代人が気を付けなければいけないのは、「糖質の取り過ぎ」です。前回の記事をお読みいただいた方は、「あれ?
 糖質の取り過ぎは糖化と関係しているんじゃなかったっけ? 酸化とは関係ないんじゃないの?」と思われるかもしれません。実は、糖質摂取過多は、糖化のみならず、酸化の促進とも関係しているのです。

 糖質を多く摂取すると高血糖になり、血糖値を下げるためにすい臓からインスリンが多量に分泌されます。この高血糖・インスリン過剰が酸化を促進し、活性酸素を大量発生させるのです。

 すなわち「糖化」と「酸化」は全く別物ではなく、重複して起こります。したがって、酸化の予防のためにも、糖質制限が有効です。となると、先ほど述べた抗酸化物質のうち、果物・芋類・カボチャ・玉ネギ・ニンジンなどの糖質の多い食品は取り過ぎ注意です。

 以上のように、活性酸素が増えるような生活習慣を改め、抗酸化物質を積極的に取り、糖質の過剰摂取を控えることが、老化の要因である酸化を防止するうえで重要です。

 次回は、老化の三大要因の「炎症」について詳しく述べたいと思います。

2022年7月23日号掲載

目次