11 骨を強くする方法 ~「食事」「運動」「日光浴」に気を配る

 前回は、骨粗しょう症の原因とリスクを中心に解説しました。今回は、骨を強くする方法について述べていきます。骨を強くするには、「食事」「運動」「日光浴」に気を配ることが大切とされています。それぞれについて詳しくみていきましょう。

 まず、「食事」についてです。骨を強くするのに重要な栄養素として、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質が挙げられます。特に骨を硬く丈夫にする栄養素がカルシウムであり、皆さんの中にもご存じの人も多いのではないでしょうか。

 カルシウムは人体の中で最も多いミネラルであり、そのうち99%は骨や歯に含まれています。骨は血液中のカルシウムを取り込んで日々再生を繰り返していますが、カルシウムの摂取が不足すると、骨は自分を溶かして血液中のカルシウムを補給しようとするので、さらなるカルシウム不足を引き起こしてしまいます。
 カルシウムは牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、イワシやシラス、シシャモなどの魚介類、豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜やモロヘイヤなどの野菜に多く含まれます。したがって、これらのカルシウムの多い製品を積極的に摂取することが骨を強くするためには非常に重要です。ただし、乳製品には糖質の多いものも多く、肥満・糖尿病の予防の観点からは取り過ぎに注意です。また、カルシウムは腸管からの吸収率があまり良くないため、カルシウムの腸管からの吸収を助けるビタミンD、体内に取り込んだカルシウムの骨沈着の際に必要なビタミンKも併せて摂取することが大切です。

 ビタミンDは、シラス、サケ、サンマなどの魚に豊富で、ビタミンKは緑黄色野菜、納豆などに多く含まれています。カルシウムは「骨量」を増やすのに有効ですが、骨を強くするには「骨質」を良くすることも必要であり、そのためには、魚、肉、大豆製品などのタンパク質が重要です。また、タンパク質は筋肉を作るためにも欠かせない栄養素であり、骨折を防ぐには筋肉もしっかりしている必要があります。そう考えると、昔からの魚を中心とした和食は、骨を強くするのに理想的な食事なのです。

 次に「運動」について述べます。骨は、「衝撃」を与えることで強くなります。そのため、骨を丈夫にするために運動は欠かせません。骨には、運動などの負荷をかけると強くなり、逆に負荷をかけないと弱くなるという性質があるからです。例えば、寝たきりの状態の人や、無重力で過ごす宇宙飛行士などは、骨密度が急激に減少してしまいます。骨を強くするために効果的な運動は、衝撃や負荷の大きい運動です。例えば、ジャンプがその一つです。
 ほかにも、バレーボール、バスケットボール、縄跳び、ジョギングなどが挙げられます。しかし、高齢の人は、腰や膝を痛める可能性があるので注意が必要です。高齢者にもおすすめの運動は、背筋運動やスクワットなどの筋トレです。 また、ウオーキングもおすすめです。のんびり歩くのではなく、姿勢を真っすぐにして歩幅を広くし、リズミカルに歩くようにします。階段の上り下りや散歩の時間を増やすだけでも、骨には良い効果があります。

 最後に「日光浴」についてですが、日光を浴びると、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDが皮膚で作られ、骨を強くします。夏なら木陰で1日30分、冬なら手や顔を1日1時間程度、日に当てるだけで十分といわれています。

 以上のように「食事」「運動」「日光浴」に気を配ることで、健康寿命を縮めてしまう骨折を予防できるのです。

2023年1月28日号掲載

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