最近の研究で、見た目が若い人の方が長生きすると分かってきています。2022年2月に朝日新聞が実施したアンケートでは、美容や見た目に関心がある人が8割を超えました。また、5歳以上若く見られたいと思っている人が5割以上を占めたということです。さらに、外見の老化のスピードを抑えるには、気持ちの持ちようが大切だという意見も多数寄せられました。多くの人が見た目の若々しさと健康や内面がつながっていると考え、日々を前向きに過ごそうとしている様子が伝わってきます。
老化したときの見た目の評価としては、皮膚のしわ、しみ、たるみ、白髪、脱毛、余計な部分の発毛(耳毛や長い眉毛)、身長の低下、体形の変化などが挙げられ、実年齢との関係が明らかになっています。

老化の要因は内的要因と、外的要因に分かれます。内的要因としては、以前も述べましたが、「糖質の取り過ぎ」「食品添加物の摂取」「加工食品を食べる」「酸化した食べ物の摂取(時間のたった揚げ物など)」「トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニング)の摂取」など栄養面でのこと、「運動不足」「激しい運動のし過ぎ」など運動面でのこと、睡眠不足、ストレス、腸内環境の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、過度の飲酒・喫煙などが挙げられます。
外的要因としては、「過度の紫外線」「PM2.5(微小粒子状物質)」などが挙げられます。したがって、老化を予防するには、内的要因や外的要因に気を配った生活習慣を身に付ける必要があります。
しかし、どんなに老化しないような生活習慣をしていても、遅かれ早かれ、人は徐々に老いていきます。7割以上が「実年齢よりも若く見られたい」と思っており、見た目の上での努力をされている人も多いのではないでしょうか。例えば、加齢に伴う見た目の変化に白髪や抜け毛がありますが、白髪を染めたり、育毛やかつらを使用する人が多数います。
また、加齢とともにしみが増えると老けて見えることが多いので、特に女性は、しみ取りを美容クリニックで行うことも多いと思います。さらに、最近では「ボトックス注射」による顔のしわ改善なども流行しています。ボトックス注射とは、ボツリヌス菌の毒素(ボツリヌストキシン)を精製・分解した薬液を用いる注入治療です。ボツリヌストキシンには筋肉を弛緩させる作用があり、顔や体に注入することで、さまざまな治療効果が期待できます。
例えば、表情筋の収縮が原因の表情じわが気になっている場合、筋肉に注射することで、しわ改善に役立ちます。ただし、ボトックス注射により表情が乏しくなったり、あまりにも長期にわたりやり過ぎたりすると、筋肉が萎縮することもあるので、注意が必要です。
このような「若づくりをすること」は、見た目のアンチエイジングにとっては大切です。ファッションに興味があれば、若いファッションをコーディネートするのもいいかもしれません。しかし、私の個人的見解では、若づくり以上に「若い人とよく接すること」「自分を若いと思うこと」が若さを保つ秘訣ではないかと考えます。
「今どきの若い者は…」と否定的な考えをできるだけ持たず、「今時はそう考えるんだ」と若い人に考えを近づけている人は若く見えることが多いのではないしょうか。韓国の研究では、実年齢よりも若いと感じている人たちは、実年齢よりも年をとったと感じている人たちと比べて、脳の灰白質の体積が大きい傾向にあったという報告もあります。
以上のように、老化の要因となる生活習慣を避け、自分は若いと感じ、若い人と交流する機会を多く持ち、若づくりに励むことが見た目を若く保つ秘訣だと思います。
2023年9月23日号掲載
