36 花粉症 ~舌下免疫療法で体質改善

 寒い日が続いていますが、皆さまは風邪をひいたりせず、お元気でお過ごしでしょうか。早く暖かい春になってほしいものですね。そう言いたいところですが、春がお好きでない人もたくさんいると思います。その一番の要因が「花粉症」だと思います。

 花粉症は、スギなどの植物の花粉が原因で起こるアレルギー疾患で、日本では約60種類の原因植物が知られています。くしゃみ、鼻水といった鼻の症状や、目のかゆみ、充血といった目の症状が一般的ですが、人によっては、皮膚のかゆみ、のどの痛みやかゆみ、せき、頭痛、発熱などあらゆる症状が現れます。花粉症は「国民病」ともいわれ、ウェザーニュースが2024年に公表した調査結果では、日本人の2人に1人が花粉症の可能性があると報告されています。実は、私も3年前から花粉症を発症してしまい、決して春がうれしい季節とならなくなってしまいました(涙)。

 花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。これは日本の森林の約18%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。一方、北海道にはスギやヒノキが少なく、シラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。長野県では、花粉症の原因としてスギが最も多く、次いでヒノキとなっています。

 ウェザーニュースの25年の花粉症の予想によると、長野県では3月中旬ごろにスギ花粉、4月上旬ごろにヒノキ花粉の飛散ピークを迎えるようです。読者の中には、すでに花粉症を発症している人もいると思います。

 それでは、どのように花粉症の対策をすればいいのでしょうか。まずは、マスクや眼鏡を用いて花粉が体内に入り込むのを防ぐことが有効です。マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。また、花粉の飛散は昼前後と夕方に多いので、この時間帯の外出を避けるのも有効です。特に晴れて気温が高い日、空気が乾燥して風が強い日、雨上がりは花粉飛散が多いため注意が必要です。

 花粉症も他の疾患と同様に、予防でなんとかなるに越したことはないのですが、治療が必要なことも少なくありません。一般的に花粉症に対して最も行われている治療は、花粉症の時期に、点眼薬や点鼻薬などの局所療法や、抗アレルギー薬の飲み薬を服用するというものです。私自身はこの3年間、点眼薬と飲み薬で対応しています。

 重症の花粉症の場合、前記のような薬物療法(対症療法)では効果が乏しい人もいます。そのような人を中心に、アレルギーの体質そのものを改善させる治療として、2014年から舌下免疫療法(内服薬による体質改善)が行われるようになりました。舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(スギ花粉、またはダニ)を含んだ錠剤を「1日1回、舌の下に1分間保持した後、飲み込む」ことにより、体質を改善させる治療法です。毎日、家庭で錠剤の服用を続けることにより、体を徐々にアレルギーの原因物質に慣らしていきます。

 この治療の大変なところは、「とにかく時間を要する」ことです。効果が現れるまでに最低数カ月から1年はかかり、3年から5年間の継続治療が推奨されます。そして治療終了後、内服を継続した期間と同じ年数だけ効果が持続するとされています。私の父と弟は、花粉症の症状が強いため、数年前からこの治療を行い、花粉症の症状が良くなったと非常に満足しています。

 春という季節は、本来寒い冬から解放される「いい季節」です。花粉症の予防・治療により、春の素晴らしさを体感したいものです。

2025年2月22日号掲載

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